「暗号資産(仮想通貨)を始めたいが、本当に利益が出るのか不安」と感じる方は多いです。
実は、暗号資産には株式やFXにはない、数百円から始められる手軽さや、大きな利益を狙える魅力があります。一方で、仕組みを理解しないまま始めると、思わぬ損をする恐れもあります。
本記事では、初心者が知るべき5つのメリットと、失敗しないためのリスク対策をわかりやすく解説します。
読了後には、あなたが暗号資産を始めるべきかが明確になります。まずはその特徴を一緒に見ていきましょう。
暗号資産(仮想通貨)とは?投資対象としての基礎知識
最近ニュースでよく耳にする「暗号資産(仮想通貨)」。興味はあるけれど、仕組みが難しそうで手を出せずにいる方も多いのではないでしょうか。
簡単に言うと、暗号資産はインターネット上でやり取りできる「デジタルな通貨」のことです。円やドルのように紙幣や硬貨は存在しませんが、世界中で買い物や送金、そして投資に利用されています。
ここでは、まず暗号資産の基本的な仕組みと、よく混同される電子マネーとの違いについて解説します。
そもそも暗号資産とは何か
暗号資産とは、インターネット上で取引される「財産的価値」を持つデータのことです。
特定の国や銀行が管理するのではなく、「ブロックチェーン」という高度な技術によって、世界中のユーザー同士で管理しているのが最大の特徴です。この技術により、データの改ざんや不正コピーが極めて難しくなっています。
暗号資産の主な特徴
- 国や中央銀行に依存せずプログラムで自律的に動き管理者がいない
- ビットコインのように発行枚数に上限があり希少価値が生まれやすい
- 国境を越えても両替の手間なく世界共通で送金や決済が可能
このように、暗号資産は単なるデータではなく、金(ゴールド)のような希少性と、通貨としての利便性を併せ持った新しい資産クラスといえます。2020年5月の法改正により、呼び名も「仮想通貨」から「暗号資産」へと正式に変更されました。
電子マネーとの明確な違い
「スマホで支払うなら、SuicaやPayPayと同じでは?」と思うかもしれませんが、その性質はまったく異なります。
電子マネーはあくまで「円の代わり」にすぎず、デジタル化された日本円です。一方、暗号資産はそれ自体が独立した価値を持っており、日々価格が変動します。
| 項目 | 電子マネー | 暗号資産 |
|---|---|---|
| 発行主体 | 企業(鉄道会社など) | 特定の管理者なし(プログラム) |
| 価値の変動 | なし(1ポイント=1円) | あり(需要と供給で変動) |
| 主な目的 | 決済・ショッピング | 投資・送金・決済 |
| 換金性 | 基本的に不可 | いつでも日本円に換金可能 |
電子マネーは便利ですが、持っているだけで増えることはありません。対して暗号資産は、投資対象として資産を増やせる可能性がある点が決定的な違いです。この「変動する価値」こそが、多くの人を惹きつける理由の1つです。
初心者が知っておくべき暗号資産の5つのメリット
投資と聞くと「まとまった資金が必要」「手続きが面倒」といったイメージをもつ方が多いです。しかし、暗号資産には他の金融商品にはない、初心者にとって始めやすい独自の魅力がたくさんあります。ここでは、これから投資を始める方が知っておくべき、代表的な5つのメリットを詳しく解説します。
数百円程度の少額から投資ができる
「ビットコインは1枚数千万円もするから買えない」と諦める必要はありません。暗号資産は小数点以下の単位で細かく分割して購入できます。
実際、国内の主要な取引所では、数百円からワンコインで投資を始められます。例えば、ビットコインの価格が1,000万円だったとしても、0.0001BTC(1,000円分)だけ購入可能です。お小遣い程度の金額でスタートし、慣れてきたら徐々に金額を増やすといった柔軟な運用ができます。まずは少額で実際に購入し、値動きの感覚をつかんでみましょう。
24時間365日いつでも取引可能
株式投資やFXは、基本的に平日の日中や特定の時間帯しか取引できません。しかし、暗号資産市場は24時間365日、土日祝日も休まず稼働しています。

時間や場所を選ばないメリット
- 仕事が終わった夜間や休日にゆっくり取引できる
- 急なニュースで相場が動いたときに即座に対応できる
- ゴールデンウィークや年末年始でも資産を動かせる
このように、自分のライフスタイルに合わせて自由に取引のタイミングを選べる点は、忙しい会社員や主婦・主夫にとって大きな利点です。隙間時間を有効活用して、無理なく資産形成を進められます。
大きな利益(キャピタルゲイン)が狙える
暗号資産の最大の魅力は、短期間で資産が数倍、数十倍になる可能性を秘めている点です。価格変動(ボラティリティ)が大きいため、安く買って高く売ることで大きな売却益を得られます。
| 通貨名 | 時期(価格) | その後の高値 | 上昇率 |
|---|---|---|---|
| ビットコイン | 2020年3月(約50万円) | 2021年11月(約770万円) | 約15倍 |
| イーサリアム | 2020年3月(約1.5万円) | 2021年11月(約54万円) | 約30~40倍程度 |
※価格はCoinMarketCap等のデータに基づく2020年3月の最安値付近と2021年11月の最高値付近の概算値です。取引所により価格は異なります。
もちろん、価格が下がるリスクもありますが、これほどの上昇ポテンシャルをもつ金融商品は他にあまりありません。余剰資金の一部を投資し、将来的な資産拡大を狙う手段として非常に有効です。
海外送金がスピーディーかつ手数料が安い
海外へお金を送る際、銀行を利用すると数千円の手数料と数日の時間がかかります。しかし、暗号資産を使えば、このコストと時間を大幅に圧縮できます。
| 項目 | 銀行での海外送金 | 暗号資産での送金 |
|---|---|---|
| 手数料 | 2,000円~5,000円程度 | 数円~数百円程度 |
| 送金時間 | 数日~1週間 | 数分~数十分 |
| 手続の手間 | 窓口や複雑な入力が必要 | スマホアプリで完結 |
特に、海外に家族がいる方や、海外のサービスへの支払いを頻繁にする方にとって、この利便性は革命的です。銀行を経由しない直接送金(P2P)の仕組みが、国境の壁を取り払います。
ブロックチェーン技術による将来性が高い
暗号資産は単なる投機対象ではなく、Web3.0と呼ばれる次世代インターネットの中核技術です。
分散型金融(DeFi)やNFT(非代替性トークン)、メタバースなど、ブロックチェーン技術を応用した新しいサービスが次々と生まれています。これらの市場規模は年々拡大しており、関連する暗号資産の需要も長期的に高まると予測されます。今から暗号資産に触れておくことは、将来のデジタル社会で先行者利益を得るための有効な手段になります。
始める前に理解したい暗号資産のデメリットとリスク
暗号資産には大きなリターンが期待できる反面、無視できないリスクも存在します。メリットばかりに目を向けていると、思わぬ損失を被る恐れがあります。ここでは、投資を始める前に必ず理解しておくべき3つの主なデメリットとリスクについて解説します。これらを事前に把握し、対策を講じることで、安全に資産運用を続けられます。
価格変動が激しく損失の恐れがある
最も注意すべき点は、価格の変動幅(ボラティリティ)が非常に大きいことです。株式や為替と比較しても、その動きは劇的です。
悪いニュース1つで価格が暴落し、1日で資産価値が10%以上減るケースもよくあります。例えば、100万円を投資しても、短期間で半分の50万円になってしまう可能性もゼロではありません。逆に急騰するチャンスもありますが、初心者はこの激しい値動きに精神的に動揺してしまいがちです。生活費には絶対に手を付けず、最悪の場合ゼロになっても生活に支障がない「余剰資金」で投資する必要があります。
ハッキングやパスワード紛失のリスク
暗号資産はデジタルデータであるため、サイバー攻撃や管理ミスによる資産消失のリスクと隣り合わせです。銀行預金のような元本保証や手厚い補償制度は基本的にありません。
主なセキュリティリスク
- 取引所がハッキング被害に遭い資産が流出する
- パスワードや秘密鍵を忘れて二度とアクセスできなくなる
- 送金先のアドレス入力を間違えて資産が消滅する
これらのトラブルは、自分自身の管理で防げるものが大半です。2段階認証を必ず設定する、パスワードを紙に書いて金庫に保管する、送金時は少額でテストするなど、自分の資産は自分で守るという高い意識が必要です。
税金の計算や確定申告が複雑になりやすい
利益が出た際、税金の取り扱いが株式投資とは異なる点にも注意が必要です。暗号資産で得た利益は「雑所得」に分類され、給与所得などと合算して税額が決まります。
| 項目 | 株式投資 | 暗号資産 |
|---|---|---|
| 税金の区分 | 申告分離課税 | 総合課税(雑所得) |
| 税率 | 一律 約20% | 15%~最大55%(累進課税) |
| 損失の繰越 | 3年間可能 | 不可 |
所得が増えるほど税率も高くなる仕組みのため、大きく利益が出た翌年は多額の納税が必要になるケースがあります。また、取引回数が多いと計算が非常に複雑になります。利益が出始めた段階で、税金の仕組みについて学び、納税資金を確保しておく準備が欠かせません。
※将来的に暗号資産も分離課税に制度が変更される可能性はあります。
株式やFXとは何が違う?特徴を比較
資産運用を始めようとしたとき、暗号資産以外にも株式投資やFX(外国為替証拠金取引)など、多くの選択肢があります。「結局、どれが自分に合っているの?」と迷う方も多いはずです。それぞれにルールや利益の出し方が異なるため、自分のライフスタイルや資金量に合ったものを選ぶ必要があります。ここでは、取引時間、価格変動の大きさ、そして得られる利益の種類の3つの観点から、暗号資産と他の投資商品の違いを比較します。
取引時間と市場の流動性の違い
最もわかりやすい違いは、取引ができる「時間帯」です。仕事や家事で忙しい方にとって、いつ取引できるかは非常に大きな要素です。

| 投資商品 | 取引可能な時間 | 休日・祝日 |
|---|---|---|
| 株式投資 | 平日 9:00~15:00 | 取引不可 |
| FX | 平日 24時間 | 基本的に不可 |
| 暗号資産 | 24時間365日 | 取引可能 |
株式投資は証券取引所が開いている時間が限られるため、日中働いている会社員はリアルタイムでの取引が困難です。FXは平日なら夜中でも取引できますが、土日は市場が止まります。対して暗号資産は、メンテナンス時間を除き、土日祝日や深夜を含めていつでも売買が可能です。「週末にじっくりチャートを見て取引したい」と考える方には、暗号資産が最も柔軟に対応できます。
ボラティリティ(価格変動幅)の大きさ
「ボラティリティ」とは価格の変動幅のことです。この幅が大きいほど、ハイリスク・ハイリターンな投資といえます。暗号資産は、株式やFXと比べて圧倒的にボラティリティが高いのが特徴です。
| 金融商品 | 値幅制限(ストップ高・安) | 1日の変動イメージ |
|---|---|---|
| 株式 | あり(制限にかかると売買停止) | 決算発表時などを除き安定的 |
| FX | なし | 1円(約1%)動けば大ニュース |
| 暗号資産 | なし | 1日で10%〜50%動くこともある |
株式市場には、極端な価格変動を防ぐための制限がありますが、暗号資産にはそのブレーキが存在しません。そのため、短期間で資産が倍になるような急騰が起こる一方で、暴落するスピードも速い傾向があります。この「制限のないダイナミックな値動き」こそが、暗号資産ならではのスリルであり、徹底した資金管理が必要な理由です。
配当や優待の有無
株式投資の楽しみの1つに「配当金」や「株主優待」があります。企業が利益の一部を株主に還元する仕組みです。
一方、暗号資産には基本的に株主優待のような制度はありません。企業に投資するわけではないからです。しかし、最近では「ステーキング」や「レンディング」という新しい仕組みが登場し、注目を集めています。
| 種類 | 仕組み | 収益の形 |
|---|---|---|
| ステーキング | 対象通貨を保有しブロックチェーン維持に貢献 | 貢献への報酬 |
| レンディング | 保有する通貨を取引所などに貸し出す | 貸出の金利 |
「株主優待で商品をもらう」といった楽しみ方はできませんが、銀行預金よりも高い年率で通貨を増やせる可能性があります。売買による利益だけでなく、保有することでコツコツ増やす選択肢も増えています。
失敗しないための暗号資産の始め方
メリットとリスクを理解したら、実際に投資をスタートさせましょう。しかし、最初から全力で資金を投入したり、適当な業者を選んだりするのは危険です。長く安定して利益を出し続けるには、正しい手順で準備する必要があります。ここでは、初心者が安全なスタートを切るために必要な、具体的な2つのステップを紹介します。
信頼できる国内取引所を選ぶ
まずは、日本国内の金融庁に登録されている取引所で口座を開設します。海外の取引所は取扱銘柄が多い反面、日本の法律が適用されず、トラブル時にサポートを受けられない恐れがあるからです。初心者はセキュリティが高く、万が一の際の対応もしっかりしている国内大手を選ぶのが無難です。
取引所選びのポイント
- 売買にかかる手数料が安く設定されている
- 初心者でもスマホアプリが直感的に使える
- 2段階認証などセキュリティ対策が強固
これらの条件を満たす取引所なら、安心して取引に集中できます。まずは1社登録して、少額から使い勝手を試してみましょう。
余剰資金を使って積立投資から始める
最初は生活に影響のない「余剰資金」を使い、毎月決まった額を購入する「積立投資」から始めます。価格変動が激しい暗号資産において、一度に大量に買うのは高値掴みのリスクが高いからです。時間を分散して買うことで、平均購入単価を抑える効果が期待できます。
| 投資手法 | 特徴 | 初心者への適性 |
|---|---|---|
| 一括投資 | タイミングの見極めが難しい | △(上級者向け) |
| 積立投資 | 時間分散でリスクを抑える | ◎(推奨) |
積立なら相場の上がり下がりに一喜一憂せず、淡々と資産を増やせます。まずは無理のない金額を設定し、長期的な視点で運用を続けましょう。
まとめ:暗号資産のメリットを活かして資産形成を始めよう
ここまで、暗号資産のメリットやリスク、他の投資商品との違いについて解説しました。暗号資産は、単なる一時的なブームではなく、新しい資産形成の手段として定着しつつあります。
メリットとリスクの再確認
最後に、今回の要点を整理します。メリットとリスクを正しく理解することが、安定した運用の第一歩です。
暗号資産運用のポイント
- 数百円の少額から24時間いつでも投資できる
- 大きな利益や将来的な技術の発展が期待できる
- 価格変動やセキュリティのリスク管理が必要
リスクはゼロではありませんが、正しい知識をもち、余剰資金で運用すれば、資産を大きく増やす強力な手段になります。まずは信頼できる国内取引所で口座を開設し、無理のない範囲で少額からスタートしてみましょう。その小さな1歩が、将来の資産を大きく変えるきっかけになります。

