「暗号資産は危険」「やめとけ」そんな言葉を聞いて、投資への興味を諦めていませんか?実は、大損する人には共通の原因があります。逆に言えば、リスクの正体と対策さえ知っていれば、暗号資産はあなたの資産を増やす強力な手段になります。
この記事では、初心者が直面する5つのデメリットと、失敗しないための具体的な回避策をわかりやすく解説します。ただ怖がるのではなく、リスクを正しくコントロールする方法を学び、不安を「自信」に変えて安全な資産運用を始めましょう。
暗号資産(仮想通貨)の主なデメリット・リスク5選
暗号資産には「億り人」のような夢がある一方で、資産を失うリスクも潜んでいます。「知らなかった」では済まされない落とし穴があるのが現実です。
しかし、恐れる必要はありません。リスクの中身を正しく理解し、対策を知っておけば、大半のトラブルは回避できます。ここでは、初心者がまず押さえておくべき5つの主なデメリットについて解説します。
価格変動(ボラティリティ)が激しく精神的な負担が大きい

暗号資産は、株式や為替と比較して価格の変動幅(ボラティリティ)が非常に大きいのが特徴です。
1日で価格が10%~20%動くことも珍しくありません。例えば、100万円分のビットコインを買った翌日に、価値が80万円に下がってしまうケースもあります。逆に急騰して利益が出る場合もありますが、慣れていないと「資産が減るかもしれない」という不安で、仕事や私生活に集中できなくなる恐れがあります。
価格変動による影響
- 短期間で資産が半減する可能性がある
- 値動きが気になってスマホを手放せなくなる
- 焦って安値で売却し損失を確定させてしまう
初心者のうちは、この激しい値動きにメンタルが耐えられないことが多いです。そのため、生活費には手を付けず、無くなっても生活に支障がない「余剰資金」で始めることが鉄則です。
ハッキングや盗難による資産喪失のリスクがある
暗号資産はデジタルデータであるため、インターネット上でのハッキング被害に遭う可能性があります。
過去には、取引所がサイバー攻撃を受けて顧客の資産が流出した事件も発生しています。銀行預金であれば、預金額は原則として保護されますが、暗号資産の場合は補償がされないケースもあります。自分の資産は自分で守るという意識が必要です。
| 項目 | 銀行預金 | 暗号資産 |
|---|---|---|
| 管理者 | 銀行・国 | 取引所・個人 |
| 補償制度 | 原則あり(1,000万円まで) | 原則なし |
| リスク要因 | 銀行の破綻 | ハッキング・紛失 |
このようなリスクを避けるためには、金融庁に登録された信頼できる国内取引所を利用し、二段階認証の設定など個人のセキュリティ対策を徹底しましょう。
送金アドレスの間違いで資産を失う恐れがある(セルフゴックス)
暗号資産を送金する際、送金先のアドレスを一文字でも間違えると、資産は永久に失われます。
これは「セルフゴックス」とも呼ばれ、銀行振込のように「組戻し(取り消し)」ができません。ブロックチェーンの仕組み上、一度完了した取引は誰にも修正できないからです。
送金ミスを防ぐ手順
- アドレスは手入力せず必ずコピペする
- QRコード読み取り機能を活用する
- 最初は少額でテスト送金をする
特に初めて送金する場合は、全額を一気に送るのではなく、まずは最小単位で送金テストを行い、着金を確認してから残りを送る習慣をつけましょう。
税金の計算が複雑で利益が出ると確定申告が必要になる
暗号資産で得た利益は「雑所得」に分類され、一定額を超えると確定申告が必要です。
株式投資のように、証券会社が代わりに税金を計算・納税してくれる「特定口座(源泉徴収あり)」のような仕組みは、現在の暗号資産取引所にはありません。自分で1年間の取引履歴を計算し、書類を作成して申告する必要があります。
| 項目 | 株式投資(特定口座) | 暗号資産 |
|---|---|---|
| 税金区分 | 申告分離課税 | 総合課税(雑所得) |
| 税率 | 一律約20% | 15%~最大55% |
| 確定申告 | 原則不要 | 原則必要(利益20万円超) |
取引回数が多いと計算は非常に複雑になります。利益が出始めたら、早めに税金のルールを確認し、計算ツールを導入するなどの準備をしておきましょう。
詐欺プロジェクトやSNSでの怪しい勧誘が多い
暗号資産の人気に便乗した詐欺や、悪質な勧誘がSNSを中心に多発しています。
「絶対に儲かる」「元本保証」「AIが自動で稼ぐ」といった甘い言葉で近づき、無価値なコインを買わせたり、お金を騙し取ったりする手口が横行しています。知識がない初心者は格好のターゲットになりやすいです。
よくある詐欺の手口
- SNSでの投資勧誘やセミナーへの誘導
- 有名人を装った偽アカウントからのDM
- マッチングアプリでの投資話(ロマンス詐欺)
うまい話には必ず裏があります。怪しい勧誘には一切反応せず、金融庁に登録されていない業者や、実態の不明なプロジェクトには絶対に手を出さないようにしてください。
「暗号資産はやめとけ」と言われる根本的な理由
ネット検索やSNSを見ていると、「暗号資産はやめとけ」「危険だ」といったネガティブな意見を目にします。これから始めようとする方にとって、これらの言葉は大きな不安要素です。
しかし、否定的な意見の多くは、暗号資産そのものの欠陥というより、投資のやり方を間違えて失敗した人たちの経験談に基づいています。「なぜ失敗したのか」という原因さえ特定できれば、同じ轍を踏むことは避けられます。ここでは、多くの人が挫折してしまう2つの根本的な原因を深掘りします。
ギャンブル感覚でレバレッジ取引をして大損する人がいるため
「暗号資産で借金をした」「一瞬で全財産を失った」という話のほとんどは、現物取引ではなく「レバレッジ取引」によるものです。
レバレッジ取引とは、証拠金を預けて手持ち資金の何倍もの金額を動かす取引方法です。少ない資金で大きな利益を狙える反面、わずかな値動きで証拠金以上の損失が出るリスクがあります。
| 項目 | 現物取引 | レバレッジ取引 |
|---|---|---|
| 仕組み | 手持ち資金の範囲で購入 | 資金を担保に倍率をかけて取引 |
| 利益 | 買った分の上昇幅のみ | 資金の数倍の利益が可能 |
| 損失リスク | 資産価値が減るのみ(0にはならない) | 証拠金全額没収や借金の恐れ |
初心者がいきなり高倍率のレバレッジ取引に手を出すのは、投資ではなくギャンブルに近い行為です。現物取引であれば、価格が下がっても保有枚数は変わらず、価値がゼロになる可能性も低いです。「やめとけ」と言われるリスクの正体は、この無茶な取引スタイルにあります。まずは現物取引に限定して、安全に運用しましょう。
基礎知識がないまま投資してカモにされるケースが多いため
暗号資産は技術や仕組みが複雑で、株式投資以上に事前の学習が必要です。
しかし、十分な知識がないまま「誰かがおすすめしていたから」「これから上がると聞いたから」という理由だけで購入し、高値で売りつけられたり、無価値なコインを掴まされたりする人が後を絶ちません。これを投資の世界では「養分(カモ)」と呼びます。
知識不足で陥る失敗パターン
- SNSの煽りを信じて高値で購入する
- 販売所の高いスプレッド(手数料)を知らずに売買する
- 利益が出ているのに税金を考慮せず使い込む
自分で情報を精査する力がないと、他人の意見に流されて損失を出し続けます。最低限の用語や仕組み、チャートの見方を勉強してから市場に参加しましょう。知識武装こそが、自分の資産を守る最強の盾になります。
初心者がデメリットを回避して失敗を防ぐ具体的な対策法
リスクを理解しただけでは、まだ不安は解消されないはずです。しかし、適切な行動をとれば、これらのリスクはコントロール可能な範囲に収められます。
プロの投資家も、最初から完璧だったわけではありません。彼らは皆、自分なりのルールを守り、リスクを最小限に抑える術を身につけています。ここでは、初心者が市場から退場せず、安全に資産運用を続けるための4つの具体的な対策を紹介します。
生活費には手を付けず余剰資金で少額から始める
投資の鉄則は「余剰資金」で始めることです。毎月の生活費や将来使う予定のあるお金には絶対に手をつけてはいけません。
家賃や食費を投資に回してしまうと、価格が下がったときに「生活できなくなる」という恐怖から、冷静な判断ができなくなります。結果として、焦って損失を確定させるという最悪の行動をとってしまいます。まずは、なくなっても今の生活が変わらない金額範囲内でのみ投資しましょう。
余剰資金の目安
- 半年から1年以内に使う予定がないお金
- 趣味や娯楽に使っているお金の一部
- 銀行に預けたまま放置している貯金
まずは数百円から数千円程度の少額でスタートし、値動きに慣れる期間を設けてください。金額が小さければ、たとえ半値になっても精神的なダメージはほとんどありません。心の余裕こそが、投資を成功させる最大の武器になります。
セキュリティ対策が万全な金融庁登録済みの国内取引所を選ぶ
取引所選びは、資産を守る最初の砦です。初心者は必ず金融庁の登録を受けた国内の取引所を利用してください。
海外の取引所は取り扱い銘柄が多く魅力的ですが、日本の法律が適用されず、トラブルが起きても自己責任となるケースが多いです。一方、国内取引所は金融庁の厳しい基準をクリアしており、資産の分別管理(顧客の資産と会社の資産を分けること)などが義務付けられています。

| 項目 | 国内取引所 | 海外取引所 |
|---|---|---|
| 規制・法律 | 金融庁の監督下 | 日本の法律適用外 |
| 資産管理 | 分別管理が義務 | 業者により異なる |
| 日本語対応 | 完全対応 | 非対応や不自然な場合あり |
手数料の安さや銘柄数だけで選ぶのではなく、まずは「安全性」と「信頼性」を最優先にしましょう。ただし、国内取引所であってもリスクがゼロになるわけではありません。複数の取引所を利用して資産を分散するなど、自分自身でリスク管理を徹底することが重要です。
短期売買を避け長期保有(ガチホ)で価格変動リスクを抑える
初心者が最も利益を出しやすい手法は、買ってじっと持ち続ける「長期保有(ガチホ)」です。
数時間や数日で売買を繰り返す短期トレード(デイトレードなど)は、常にチャートを監視する必要があり、プロでも勝ち続けるのが難しい手法です。精神的な負担も大きく、仕事やプライベートに支障をきたす恐れがあります。
一方、長期保有であれば、日々の細かい値動きに一喜一憂する必要はありません。これまでの歴史を振り返ると、暗号資産市場は拡大傾向にありましたが、将来も必ず上がるとは限りません。しかし、短期的なノイズに惑わされず、長い目でじっくり待つスタイルが、結果としてリスクを抑えることにつながります。
積立投資を活用して高値掴みを防ぐ(ドルコスト平均法)
「いつ買えばいいかわからない」という悩みには、積立投資が有効です。
積立投資とは、毎月や毎週決まった金額を自動で購入する方法です。価格が高いときは少なく、安いときは多く買うことになるため、結果的に平均購入単価を平準化できます。これを「ドルコスト平均法」と呼びます。
積立投資のメリット
- 相場のタイミングを読む必要がない
- 高値で一括購入してしまうリスクを防ぐ
- 一度設定すれば自動で資産形成ができる

相場が暴落しているときは「安くたくさん買えるチャンス」と前向きに捉えられます。感情に左右されず、機械的に買い続ける仕組みを作ることで、初心者でもプロ並みの堅実な運用が可能になります。まずは少額積立の設定から始めてみましょう。
デメリットだけじゃない?暗号資産を持つメリットと将来性
ここまでリスクや対策について解説してきましたが、「やっぱり怖そう」と感じた方もいるでしょう。しかし、リスクがある場所には必ずリターンが存在します。
暗号資産が多くの投資家を惹きつけるのは、他の金融商品にはない魅力的なメリットがあるからです。ただお金を増やすだけでなく、次世代の技術に触れる体験も含めて、投資する価値は十分にあります。ここでは、リスクを冒してでも手に入れるべき3つのメリットを解説します。
少額からでも大きなリターン(億り人)を狙える可能性がある
株式投資で資産を倍にするには長い年月が必要ですが、暗号資産なら短期間で達成できる可能性があります。
価格変動の大きさはリスクでもありますが、逆に言えば、少額の資金を大きく増やすチャンスでもあります。「億り人」と呼ばれる言葉が生まれたように、数百倍、数千倍に価格が跳ね上がる夢のある市場です。
| 項目 | 株式投資 | 暗号資産 |
|---|---|---|
| 最低投資額 | 数万円~ | 数百円~ |
| 期待リターン | 年利数%~ | 数倍~数十倍 |
| 必要な期間 | 長期(数年~) | 短期~長期 |
たとえ1万円の投資でも、価格が10倍になれば10万円になります。宝くじを買うような感覚で、無くなっても痛くない金額を投じておくだけで、将来的に驚くような価値になるかもしれません。まずは小さな種をまいておくのが良いでしょう。
24時間365日いつでもスマホひとつで取引できる
暗号資産市場には「閉場」がありません。株式市場のように平日9時から15時までといった時間の制約がなく、土日祝日や深夜早朝を問わず、いつでも売買が可能です。
日中仕事をしている会社員にとって、帰宅後のリラックスタイムや休日にじっくりチャートを見て取引できるのは大きな利点です。
時間のメリット
- 仕事終わりの深夜に取引できる
- 休日にゆっくり銘柄分析ができる
- 急なニュースにも即座に対応できる
スマホアプリの操作性も非常に高く、口座開設から購入まで数タップで完結します。場所や時間を選ばず、自分のライフスタイルに合わせて資産運用を進められるため、忙しい現代人に最適な投資手段といえます。
WEB3.0やブロックチェーン技術の発展に関われる
暗号資産を買うのは、単なる金儲けだけではありません。インターネットの次なる進化型である「Web3.0」の世界に参加するチケットを手に入れる意味もあります。
ビットコインを支えるブロックチェーン技術は、金融だけでなく、アート(NFT)やゲーム(GameFi)など、さまざまな分野に革新をもたらしています。
| 時代 | インターネットの特徴 | 代表的な存在 |
|---|---|---|
| Web2.0 | 情報の読み書き・中央集権 | GAFA・SNS |
| Web3.0 | 価値の所有・分散型 | 暗号資産・NFT |
新しいテクノロジーの黎明期に立ち会えるのは、非常にエキサイティングな体験です。将来的に社会インフラとなる技術にいち早く投資しておくことは、先行者利益を得るだけでなく、知的好奇心を満たす有意義な経験になります。
暗号資産のデメリットに関するよくある質問(Q&A)
ここまで解説しても、まだ心のどこかに不安が残っているかもしれません。特にお金に関わることなので、慎重になるのは当然です。
最後に、初心者の方が抱きやすい2つの疑問に、包み隠さず回答します。モヤモヤした気持ちを解消して、スッキリとした状態で投資を検討してください。
取引所の破綻リスクはありますか?
結論からいうと、取引所が経営破綻するリスクはゼロではありません。取引所も一般企業と同じく、経営状況が悪化すれば倒産する可能性があります。
国内の取引所であれば、法律(資金決済法)により、顧客から預かった資産を会社の資産とは明確に分けて管理すること(分別管理)が義務付けられています。そのため、適切に管理されていれば、原則として資産は返還されます。
| 項目 | 国内取引所 | 海外取引所 |
|---|---|---|
| 法的義務 | 分別管理が必須 | 国や業者による |
| 資産の保管 | 信託銀行などに保全 | 運営会社の財布と一緒の場合あり |
| 破綻時の対応 | 原則返還される(手続きに時間を要する可能性あり) | 返還されない恐れが高い |
ただし、実際に破綻した場合は手続きに時間がかかったり、万が一ずさんな管理が行われていた場合は、資産の一部が戻らないリスクも完全には否定できません。「国内なら絶対に安心」と過信せず、複数の取引所に資産を分散して管理するなどの対策も検討しましょう。
借金を背負う可能性はありますか?
「現物取引」をしている限り、借金を背負うことは原則としてありません。
現物取引とは、手持ちの現金の範囲内で暗号資産を買う方法です。例えば、1万円で買ったビットコインの価値が暴落して、仮に0円になったとしても、損失は最初の1万円だけです。システム異常などの極端な例外を除き、追加でお金を請求されることはありません。
借金になるケースとならないケース
- 現物取引:最大損失は投資額まで(借金なし)
- レバレッジ取引:証拠金以上の損失が出る恐れあり(借金の可能性あり)
借金の話が出るのは、自分の資金以上の金額を動かす「レバレッジ取引」をした場合です。急激な変動でシステムによる強制決済が間に合わず、マイナス分を請求されることがあります。初心者のうちは、必ず「現物取引」だけに限定して運用してください。そうすれば、借金を背負うリスクを可能な限り抑えることができます。
まとめ:デメリットを正しく理解して賢く資産形成を始めよう
本記事では、暗号資産のデメリットやリスク、そして具体的な対策について解説しました。
「怖い」「怪しい」というイメージは、正体不明なものに対する恐怖から来る場合が大半です。リスクの正体を知り、対策法さえわかれば、暗号資産は恐れる対象ではなく、あなたの資産を増やす強力なパートナーになります。
失敗しないための重要ポイント
- 必ず余剰資金で、生活費には手を付けない
- 金融庁登録済みの国内取引所を利用する
- 現物取引で、長期的な値上がりを待つ
まずは口座開設をして、少額から実際の値動きを体験してみてください。数百円の投資であれば、リスクはランチ代程度です。その小さな一歩が、将来の大きな資産につながる可能性があります。
今日から無理のない範囲で、新しい資産形成の扉を開いてみましょう。
