「銀行に預けてもほとんど増えない…」そんな不安をきっかけに、暗号資産での資産形成に注目する人が増えています。なかでも人気なのが、自動で毎月コツコツ買い付ける「積立投資」。価格変動に左右されにくいドルコスト平均法を使えば、初心者でも無理なく長期運用をスタートできます。
この記事では、暗号資産の積立におすすめの取引所を徹底比較し、メリット・デメリットや少額から始めるコツをわかりやすく解説します。これから投資を始めたい人も、すでに興味を持っている人も、この記事を読めば「どの取引所で、どう始めるのがベストか」がクリアになるはずです。
暗号資産の積立とは？初心者でも始めやすい仕組み
暗号資産の積立は、価格変動の大きな仮想通貨を少額から無理なく買い続ける方法です。仕組みを理解しておくことで、初心者でも安心して一歩を踏み出せます。ここでは、積立投資の基本となる考え方や、続けやすい理由について整理してみましょう。
ドルコスト平均法の基本
暗号資産の積立は「ドルコスト平均法」という投資手法をベースにしています。毎月一定額を自動で買い付けることで、価格が高いときには少なく、安いときには多く購入できる仕組みです。たとえばビットコインを毎月1万円積み立てる場合、価格が500万円のときには0.002BTC、250万円のときには0.004BTCを買えます。長期的に続ければ購入単価が平準化され、価格変動リスクを抑えながら投資を続けられるのが魅力です。
感情に左右されない投資スタイル
暗号資産は値動きが激しく、ニュースやSNSを見て不安になったり、興奮して慌てて売買してしまう人も少なくありません。積立投資なら一度設定してしまえば自動で買い付けが行われるため、相場の上下に感情を振り回されることなく投資を継続できます。投資を「習慣」にできることが、長期運用を成功させる大きなポイントです。
少額から積立できる安心感
「投資はまとまったお金がないと始められない」と思われがちですが、暗号資産の積立は数百円からでもスタートできます。実際にbitFlyerでは1円から、Coincheckでは500円から積立が可能です。日々のコーヒー代程度で始められるので、投資初心者でも気軽に一歩を踏み出せます。
暗号資産積立のメリット・デメリット
暗号資産の積立は、初心者にとって魅力的な投資方法ですが、良い面と注意すべき面がどちらも存在します。ここでは、積立を続けることで得られるメリットと、あらかじめ理解しておくべきデメリットを整理し、自分に合っているかどうかを判断できるように解説していきます。
積立のメリット
暗号資産の積立には、投資初心者にとって心強いメリットがいくつもあります。
まず、自動購入ができるため、一度設定すれば毎月の積立が手間なく継続できます。相場を気にしすぎず、感情に流されない投資を実現できるのは大きな利点です。
さらに少額から始められる点も魅力です。500円や1,000円といった金額でもスタートできるので、投資に慣れていない人でも安心してチャレンジできます。
長期的に見ると、価格変動を平準化する効果も期待できます。コツコツと続けることで、相場の上下に一喜一憂せず安定した資産形成につながります。
積立のデメリット
一方で、積立投資にも注意点があります。
まず、暗号資産は価格変動が大きいため、短期的に資産が大きく減る可能性があります。積立をしていても「元本保証」はないため、リスクを理解したうえで取り組むことが必要です。
また、積立を行う取引所自体の安全性や経営リスクにも目を向けるべきです。万が一、事業者側にトラブルが発生すると、資産が引き出せなくなる可能性もゼロではありません。
さらに、利益が出た場合には雑所得として課税されるため、税金の負担が増える点にも注意が必要です。
向いている人・向いていない人
暗号資産の積立は、長期的に資産を育てたい人や投資の経験が少ない人に向いています。特に「毎日の値動きを気にせずコツコツ続けたい」という人にとっては相性の良い方法です。
逆に、短期間で大きな利益を狙いたい人や、価格の上下で一喜一憂してしまう人には不向きかもしれません。積立はじっくり腰を据えて資産形成するスタイルであることを理解しておくとよいでしょう。
暗号資産積立におすすめの取引所比較【2025年版】
暗号資産の積立を始めるなら、どの取引所を選ぶかが大きなポイントになります。手数料の安さや使いやすさ、積立の最低金額などは取引所によって大きく異なります。ここでは、国内で人気の主要取引所を比較し、それぞれの強みと特徴を整理しました。
| 取引所 | 積立可能額 | 取扱銘柄数 | 特徴 | おすすめポイント |
|---|---|---|---|---|
| Coincheck | 500円～ | 20種類以上 | アプリが直感的で使いやすい | 初心者が最も始めやすい取引所 |
| GMOコイン | 500円～ | 30種類以上 | 国内トップクラスの銘柄数 | 複数銘柄に分散投資したい人向け |
| SBI VCトレード | 500円～ | 15種類程度 | SBI証券や銀行と連携可能 | 既にSBIを利用している人に最適 |
| bitFlyer | 1円～ | 10種類以上 | 国内最少額から積立可能 | とにかく気軽に始めたい人向け |
| bitbank | 1,000円～ | 20種類以上 | 取引量が多くスプレッドが狭い | コスト重視で本格的に運用したい人 |
Coincheck｜アプリの使いやすさで初心者に人気
Coincheckはスマホアプリの操作性が高く、投資初心者にとって直感的に使いやすいのが特徴です。積立は500円から可能で、主要な暗号資産を幅広く扱っているため、まずは気軽に試したい人に向いています。シンプルなUIと自動引き落とし機能で、投資を習慣化しやすいのも強みです。
GMOコイン｜取扱銘柄数と手数料のバランス
GMOコインは国内トップクラスの取扱銘柄数を誇り、ビットコインやイーサリアムに加え、アルトコインも積立対象にできます。最低金額は500円からで、手数料も低めに設定されています。複数銘柄を組み合わせた積立を考えている人には特におすすめの取引所です。
SBI VCトレード｜SBI証券との連携が強み
SBI VCトレードは、SBI証券や住信SBIネット銀行との連携がスムーズにできる点が魅力です。証券口座や銀行口座とまとめて資産を管理したい人にとっては、利便性の高い選択肢になります。積立金額は500円から対応しており、金融グループとしての信頼感も安心材料です。
bitFlyer｜1円から始められる手軽さ
bitFlyerは、国内取引所の中でも特に少額から積立が可能で、1円単位で設定できます。とにかく「まずは試してみたい」という人には、心理的ハードルが低いのが大きな魅力です。取扱銘柄数は主要通貨が中心ですが、シンプルな積立を望むなら十分なラインナップといえます。
bitbank｜取引量の多さと板取引の安心感
bitbankは取引量が多く、流動性が高い点が評価されています。板取引を活用しているため、スプレッドが狭くコストを抑えられるのもメリットです。積立の最低金額は1,000円からで、しっかりとした資産運用を考えている人向けの取引所といえます。
積立額・投資スタイル別おすすめプラン例
暗号資産の積立は「いくらから始めればいいのか？」という疑問を持つ人が多いです。実際には数百円から可能ですが、ライフスタイルや収入に応じて積立額を調整することで、無理なく続けられる運用ができます。ここでは、代表的な3つのケースを例に挙げてみましょう。
学生・若手社会人：月1,000円からのお試しプラン
将来に向けて投資を始めたいけれど、まだ収入が限られている人には月1,000円からの積立が適しています。毎月の負担は少なくても、数年続ければ暗号資産の値動きによって大きな成果が期待できます。勉強代のつもりで少額から始めると、投資のリズムを身につけられます。
会社員：月1万円でBTC＋ETHの分散プラン
安定した収入がある社会人には、月1万円程度を目安に積立をするのがおすすめです。ビットコインに7割、イーサリアムに3割といった配分で積立を行えば、王道の暗号資産を押さえつつリスク分散も可能です。給与天引きのような感覚で自動引き落としにしておくと、家計に無理なく組み込めます。
家庭持ち：家計に合わせたバランス積立プラン
家計管理が重要な家庭持ちの場合は、生活費に支障をきたさない範囲で積立額を設定することが大切です。たとえば月5,000円〜1万円程度を目安に、BTC・ETHに加えてアルトコインを少額混ぜると、将来性を狙いつつリスクも分散できます。投資を「家計の一部」として計画的に取り入れることで、長期的に続けやすくなります。
数字で見る暗号資産積立のパフォーマンス
暗号資産の積立は「続ければ本当に成果が出るのか？」という疑問を持たれやすい投資方法です。ここでは、実際のシミュレーションや株式との比較を通じて、積立の可能性を数字で確認してみましょう。
過去5年間のビットコイン積立シミュレーション
もし2019年から毎月1万円をビットコインに積立していたとします。5年間で投資総額は60万円ですが、2025年初頭の価格ベースでは評価額が約3倍以上になっていたケースもあります。もちろん価格は常に変動しますが、長期的に積立を続けることで大きなリターンを得られる可能性があることがわかります。
株式インデックスとのリターン比較
株式インデックス投資（たとえばS&P500）と比較すると、安定性では株式に軍配が上がる一方、リターンの大きさではビットコインなどの暗号資産が圧倒的です。たとえば同じ金額を積立した場合、株式では1.5倍程度にとどまっていても、暗号資産は価格次第で数倍に膨らむこともあります。投資対象の性質を理解したうえで、バランスをとることが大切です。
長期目線で「積立」が有利になる理由
暗号資産の値動きは短期的には大きな上下がありますが、長期的に見ると上昇トレンドを描いてきたのが実情です。毎月一定額を買い続ければ、相場の急落時にも安く多く仕込めるため、長期では平均購入価格が下がりやすくなります。結果として、値動きの荒さを味方にすることができるのが積立投資の最大の魅力です。
積立を始める前に知っておくべき注意点
暗号資産の積立は手軽に始められる一方で、事前に押さえておきたい注意点があります。リスクを理解して準備しておけば、不安を減らしながら長期投資を続けやすくなります。
取引所のセキュリティ対策を確認する
積立を任せる取引所のセキュリティは、最初に確認すべきポイントです。過去には海外取引所でハッキング被害が発生した事例もあります。二段階認証やコールドウォレットでの管理体制が整っているかどうかは必ずチェックしておきましょう。信頼性の高い国内取引所を選ぶことで、リスクを大幅に抑えられます。
税金（雑所得）の取り扱いに注意
暗号資産の利益は「雑所得」として扱われ、給与などと合算して課税されます。利益が大きくなると所得税率も上がるため、株式のように一律20％で済むわけではありません。副収入として考える場合でも、確定申告が必要になるケースがあるので、あらかじめ税金面の知識を押さえておくことが大切です。
リスク管理と余剰資金での運用
暗号資産は値動きが激しいため、生活費や急に必要になるお金まで投資に回すのは危険です。積立を行うときは、余剰資金の範囲にとどめることが基本です。また、急激な価格下落があっても慌てず続けられる金額に設定しておくと、長期での成功につながります。
暗号資産積立を続けるためのコツ
暗号資産の積立は「始める」よりも「続ける」ことが成果につながります。相場の変動や生活環境の変化で投資をやめてしまう人もいますが、ちょっとした工夫を取り入れるだけで継続しやすくなります。
自動積立設定で習慣化する
積立は一度設定してしまえば、あとは毎月自動で買い付けが行われます。これにより投資を「習慣化」できるのが大きなポイントです。毎回の判断を省けるため、忙しい人でも無理なく続けられます。
定期的にポートフォリオを見直す
暗号資産は新しい銘柄やサービスが次々に登場します。最初に設定したまま放置するのではなく、半年や1年に一度は銘柄の配分や積立額を見直すと、より効率的な運用につながります。小さな調整を積み重ねることで、将来のリターンを高められる可能性があります。
情報収集を続けて学びをアップデート
積立自体は自動でも、投資知識をアップデートすることは欠かせません。ニュースや専門メディアで最新情報に触れることで、安心感を持ちながら続けられます。情報を得ることで「投資している自分」を意識でき、継続のモチベーションにもつながります。
まとめ｜初心者はまず少額から積立を始めてみよう
暗号資産の積立は、価格変動の大きな市場でも安定して資産形成を目指せる方法です。ドルコスト平均法によって購入価格を平準化でき、感情に振り回されず投資を続けられるのが最大の強みでした。
国内取引所にはそれぞれ特徴があり、少額から始めたいならbitFlyer、アプリの使いやすさを重視するならCoincheck、幅広い銘柄に投資したいならGMOコイン、といったように自分に合った選び方ができます。
もちろん、リスクや税金の知識も欠かせません。余剰資金の範囲で少額から始め、情報をアップデートしながらコツコツ続けることが、将来の成果につながります。
まずはワンコイン感覚で積立を始め、投資を習慣にすることからスタートしてみましょう。小さな一歩の積み重ねが、大きな資産形成への第一歩になります。
