投資信託を始めたいと思っても、「元本割れしたら家計に響かないか」「NISAなら安全なのか」と不安になりますよね。住宅ローンや教育費を抱える会社員パパなら、なおさらです。
投資信託には値下がりする可能性があります。ただ、リスクの中身を知り、生活費と投資資金を分ければ、必要以上に怖がる必要もありません。
この記事では、投資信託で損失が生じる理由、会社員パパが注意したい点、家計を守りながらリスクを抑える考え方を解説します。
投資信託のリスクとは?元本保証との違い

投資信託は、投資家から集めた資金をまとめ、商品ごとの方針に沿って株式、債券、REITなどへ投資する金融商品です。複数の銘柄や資産へ分散する商品もありますが、すべてが幅広く分散されているわけではありません。
特定の国や業種へ集中する商品もあり、値動きの大きさは中身によって変わります。預貯金とは異なり、投資した元本も保証されません。金融庁も、投資信託などの運用商品には元本割れのおそれがあると案内しています。
投資のリスクは「危険」だけを意味しない
普段の会話では、リスクを「危ない」「損をする」といった意味で使います。一方、金融分野では、運用結果が予想からどの程度上下するか、値動きの振れ幅を表す場合があります。
たとえば、年間の値動きがプラス2%からマイナス2%程度の商品と、プラス20%からマイナス20%まで動く商品があれば、一般には後者のリスクが高いと考えます。
リスクが高い商品は、必ず損をする商品ではありません。大きく値上がりする可能性がある反面、大きく下がる余地もあります。日本証券業協会も、期待できる利益が大きい商品ほど、値動きの振れも大きくなると説明しています。
会社員パパの家計なら、「いくら増えるか」より、「20%下がっても教育費や生活費へ影響しないか」を先に考えたいところです。
投資信託は預貯金と違い元本保証がない
投資信託の基準価額は、保有する株式、債券、REITなどの評価額をもとに算出されます。購入時より基準価額が下がった段階で売却すれば、受取額が投資額を下回ります。これが元本割れです。
| 金融商品 | 元本の扱い | 主な値動き | 主に向いている資金 |
|---|---|---|---|
| 預貯金 | 対象預金は預金保険制度で保護 | 原則小さい | 生活費や近く使う資金 |
| 株式 | 元本保証なし | 企業業績や市場で変動 | 当面使わない資金 |
| 債券 | 原則として元本保証なし | 金利や信用状態で変動 | 商品を理解した余裕資金 |
| 投資信託 | 元本保証なし | 投資対象に応じて変動 | 中長期で運用する余裕資金 |
利息の付く普通預金や定期預金などは、金融機関が破綻した場合でも、預金者ひとりにつき、1金融機関ごとに元本1,000万円までと破綻日までの利息などが保護されます。決済用預金は、所定の条件を満たすと全額保護の対象です。投資信託には同じ保護がありません。
債券型やバランス型であっても、元本割れは起こります。「投資信託だから安全」と考えず、投資先と資産配分を確認しましょう。
NISAを利用しても元本割れは起こる
NISAは投資商品の名前ではありません。対象商品から得た売却益や配当、分配金を、制度の範囲内で非課税にする仕組みです。
- 売却益への非課税
- 配当や分配金への非課税
- 投資商品の価格変動
- 元本保証なし
- 投資損失への補填なし
NISA口座で100万円分の投資信託を買い、評価額が80万円まで下がれば、20万円の含み損が発生します。NISAを利用していても、評価額が100万円へ戻る仕組みはありません。
制度が優遇するのは税金です。商品の値下がりを防ぐ制度ではありません。「NISAなら安全」ではなく、「元本割れする商品を税制面で有利に運用する制度」と分けて捉えましょう。
投資信託で知っておきたい6つのリスク

投資信託の基準価額が下がる理由は、株価の下落だけではありません。海外資産なら為替、債券なら金利、企業や国の財務状態も影響します。
相場の動きを細かく予測する必要はありません。ただ、自分が買う商品に何のリスクが含まれているかは把握しておきたいところです。目論見書の「投資リスク」を読むと、主な値下がり要因を確認できます。
価格変動リスク|保有資産の価格で基準価額が動く
価格変動リスクは、投資信託が保有する株式、債券、REITなどの価格が上下するリスクです。企業業績、景気、金利、物価、政治情勢、市場の需給などが値動きへ影響します。
| 投資信託の種類 | 主な投資先 | 一般的な値動きの特徴 |
| 株式型 | 国内外の株式 | 比較的大きい傾向 |
| 債券型 | 国債や社債 | 株式型より穏やかな傾向 |
| REIT型 | 国内外の不動産投資信託 | 金利や不動産市況の影響 |
| バランス型 | 株式や債券など | 資産配分により変化 |
| テーマ型 | 特定業種や分野 | 集中度が高い傾向 |
同じ株式型でも、世界中の企業へ広く投資する商品と、半導体など特定分野へ絞る商品では値動きが異なります。
投資信託を買えば、必ず十分な分散が得られるわけではありません。商品名だけで決めず、上位組入銘柄や国・地域の配分まで目を通してください。
為替変動リスク|円高で海外資産の円換算額が下がる
海外の株式や債券へ投資するファンドでは、投資先の価格に加えて為替相場の影響を受けます。
外貨建て資産の価格が変わらなくても、円高が進めば円換算後の評価額は下がります。反対に、円安は評価額を押し上げる方向へ働きます。
- 円高による評価額低下
- 円安による評価額上昇
- 為替ヘッジに伴う費用
- 為替ヘッジなしの変動
- 特定通貨への偏り
100ドルの資産を例にすると、1ドル150円なら円換算額は1万5,000円です。1ドル130円まで円高になれば、資産価格が100ドルのままでも1万3,000円へ減ります。
為替ヘッジありの商品は、為替の影響を抑える狙いがあります。ただし、影響を完全になくすものではなく、費用が運用成果を押し下げる場合もあります。海外資産へ投資する商品には為替変動リスクがあり、円高時には為替差損が生じる場合があります。
金利変動リスク|金利上昇で債券価格が下がる場合がある
債券型の投資信託にも値動きがあります。一般に、市場金利が上がると、すでに発行されている債券の価格は下がる方向へ動きます。
年1%の利息を受け取れる債券を保有している間に、同じような条件で年3%の新しい債券が発行されたとしましょう。投資家は年3%の債券を選びたくなるため、年1%の債券は価格を下げなければ売れにくくなります。
債券型ファンドの値動きは、債券の種類や残存期間でも変わります。一般には、満期までの期間が長い債券ほど、金利変動の影響が大きくなる傾向があります。
「債券型だから元本割れしない」と判断せず、国内か海外か、国債か社債か、短期か長期かまで確認しましょう。
信用リスク|企業や国が支払えなくなる可能性
信用リスクは、株式や債券を発行した企業、国、自治体などの財務状態が悪化し、利息や元本の支払いが滞るリスクです。
倒産や債務不履行まで進まなくても、信用力が低下しただけで債券価格や株価が下がる場合があります。
- 企業業績の悪化
- 国や自治体の財政不安
- 信用格付けの引き下げ
- 利息の支払い遅延
- 元本の返済不能
利回りが高い債券には、その高さに見合う信用リスクが含まれる場合があります。利回りの数字だけを見るのではなく、なぜ高く設定されているのかを確かめてください。
複数の企業や国へ分散する商品なら、ひとつの発行体が悪化した際の影響を抑えられます。ただし、分散しても信用リスクは残ります。
カントリーリスク|投資先の政治や経済に左右される
カントリーリスクは、投資先の国や地域で起きた政治、経済、社会情勢の変化が資産価格へ影響するリスクです。
政変、紛争、急激なインフレ、通貨不安、資本規制などが起きると、価格が下がるだけでなく、売買や資金移動を制限される場合もあります。
| 確認項目 | 先進国 | 新興国 |
| 市場規模 | 比較的大きい傾向 | 国による差が大きい |
| 値動き | 比較的穏やかな傾向 | 大きくなりやすい傾向 |
| 通貨 | 取引量が多い傾向 | 急変する場合あり |
| 政治情勢 | 比較的安定した国が中心 | 政策変更の影響が大きい場合 |
| 成長性 | 成熟市場が中心 | 高い成長への期待 |
新興国には高い成長が期待される反面、政治や通貨の変化が基準価額へ強く表れる場合があります。先進国であってもリスクがなくなるわけではありません。
「海外株式」と書かれているだけでは、どの国へ何%投資しているかまではわかりません。月次レポートで国別配分も見ておきましょう。
流動性リスク|希望する価格や時期に換金できない場合がある
流動性リスクは、保有資産を売りたいときに買い手が少なく、希望する価格で売却できないリスクです。
通常は問題なく取引されていても、市場の混乱、災害、紛争などで売買が急減すると、換金まで時間がかかる場合があります。商品や市場の状況によっては、解約受付の停止や受渡日の延期も考えられます。
取引量の少ない小型株、新興国の一部債券、非上場資産などを含む商品では、流動性を丁寧に確認したいところです。
教育費や住宅購入資金など、支払日が決まっている資金を投資へ回すと、必要な日に現金を用意できない恐れがあります。使う時期が近づいた資金は、預貯金へ段階的に移す方法も検討しましょう。
会社員パパが投資信託で注意したい7つのポイント

会社員パパの資産形成では、投資成績だけを見ても家計の正解は決まりません。住宅ローン、教育費、車の買い替え、毎月の生活費など、並行して備えたい支出があるためです。
相場が好調な時期は積立額を増やしたくなりますが、急な出費で投資信託を売る状態は避けたいところです。増やす資金より先に、守る資金を確保しましょう。
1.生活防衛資金まで投資へ回さない
投資へ回す資金は、当面使う予定のない余裕資金が基本です。給料日前の生活費や急な医療費まで投資すると、値下がり中でも現金化せざるを得ません。
- 毎月の生活費
- 急な医療費
- 家電の修理費
- 車の維持費
- 冠婚葬祭の支出
- 失業や休職への備え
必要な生活防衛資金は、家庭によって異なります。共働きか片働きか、会社の福利厚生、住宅ローン、子どもの年齢などで変わるためです。
まずは毎月の固定費を把握し、収入が一時的に減っても生活を維持できる現金を確保してください。日本証券業協会も、投資目的やライフプランを確認し、余裕資金で分散投資を行うよう案内しています。
私なら積立額を増やす前に、普通預金の残高と半年先までの支出予定を見ます。家族のお金では、相場が下がっても眠れる金額が現実的です。
2.教育費は使う時期から逆算する
教育費は、必要になる時期を比較的予測しやすい支出です。子どもが小さい間は長い運用期間を確保できますが、高校や大学への進学が近づくほど、相場の回復を待てる期間は短くなります。
| 使うまでの期間 | 資金管理の考え方 | 主な注意点 |
| 10年以上 | 積立運用も選択肢 | 許容できる値動きの確認 |
| 5~10年 | 預貯金との併用 | 現金比率を上げる検討 |
| 3~5年 | 預貯金の割合を高める | 大きな下落への備え |
| 3年未満 | 預貯金を中心に管理 | 元本割れの回避を優先 |
期間の区分は目安であり、利益や元本を保証する基準ではありません。必要額、進路、家計状況に合わせて調整してください。
大学入学の直前に株式市場が下がれば、学費を用意するために損失を確定する恐れがあります。「長期なら待てる」という考えは、支払日が迫った資金には当てはまりません。
3.住宅ローン返済とのバランスを崩さない
住宅ローンがある家庭では、投資へ回せる金額だけでなく、毎月の返済負担や住宅関連費も確認します。
- 毎月の返済額
- ボーナス返済
- 固定資産税
- 管理費や修繕積立金
- 将来の金利変動
- 設備交換の予定
投資の期待収益と住宅ローン金利だけを比べて決めるのは慎重さが必要です。投資収益は確定しておらず、相場によってはマイナスになります。一方、ローン返済は毎月続きます。
月3万円の積立で家計が苦しいなら、1万円や5,000円へ下げても構いません。多く積み立てるより、途中で取り崩さずに済む設計を優先しましょう。
4.過去の好成績だけで商品を選ばない
投資信託のランキングでは、直近1年間で大きく上昇した商品が目立ちます。しかし、過去の運用成績は将来の結果を保証しません。
値上がりの背景が一時的な流行や特定業種への集中であれば、市場の流れが変わった際に大きく下がる場合があります。
- 複数期間の運用成績
- 過去の値下がり幅
- 主な投資対象
- 資産や地域の偏り
- 純資産総額の推移
- 手数料を含めた収益
去年一番増えた商品より、家計の目的と運用期間に合う商品を優先してください。上昇中だけ魅力的に見える商品は、30%下がった場面でも保有を続けられるか考えてみましょう。
5.保有中の手数料まで確認する
投資信託には、購入時、保有中、売却時に費用が発生する場合があります。商品によって無料の費用もありますが、信託報酬は保有期間中に継続して差し引かれます。
| 費用 | 主な発生時期 | 確認する場所 |
| 購入時手数料 | 購入時 | 目論見書や販売会社 |
| 信託報酬 | 保有中 | 目論見書 |
| 信託財産留保額 | 売却時 | 目論見書 |
| 売買委託手数料 | ファンドの運用中 | 運用報告書 |
| 監査などの費用 | ファンドの運用中 | 目論見書や運用報告書 |
信託報酬が年0.1%の商品と年1.5%の商品では、同じ値動きでも手元に残る金額が変わります。
費用が高い商品が必ず悪いわけではありません。ただ、類似商品より高い場合は、その費用に見合う運用内容かを確認したいところです。
6.分配金の多さだけで判断しない
投資信託の分配金は、預貯金の利息とは性質が異なります。分配金はファンドの純資産から支払われるため、支払い後は分配金に相当する分だけ基準価額が下がります。
- 分配額の保証なし
- 純資産からの支払い
- 分配後の基準価額低下
- 普通分配金への課税
- 元本払戻金の可能性
分配金には、課税対象となる普通分配金と、投資元本の払い戻しに相当する元本払戻金があります。元本払戻金を受け取ると、その金額だけ個別元本が減ります。
毎月お金を受け取れていても、資産全体が増えているとは限りません。資産形成が目的なら、分配金額だけでなく、分配金を含めた運用成果や基準価額の推移も確認しましょう。
7.仕組みを家族へ説明できない商品は慎重に扱う
商品名を見ても中身がわからない投資信託は、購入前に立ち止まりましょう。
複雑な運用手法、複数通貨を使う仕組み、デリバティブ取引などを含む商品では、値動きの原因や損失の範囲を把握しにくい場合があります。
- 主な投資対象
- 値上がりする条件
- 値下がりする要因
- 為替ヘッジの有無
- 手数料の水準
- 解約や売却の条件
家族へ「何に投資していて、どんな場面で価格が下がるのか」を説明できるか試してみてください。説明が難しければ、目論見書や運用会社の資料を読み直す合図です。
日本証券業協会も、仕組みや損失の可能性を理解できない商品は購入を控えるよう案内しています。
忙しい会社員ほど、把握できる範囲の商品へ絞るほうが管理の負担を減らせます。
投資信託のリスクを抑える4つの方法

投資信託のリスクを完全になくす方法はありません。一方、運用期間、購入時期、投資先、積立額を調整すれば、ひとつの値動きに家計が振り回される状態は抑えられます。
長期・積立・分散は、利益を約束する仕組みではありません。予測が外れた場面へ備える考え方です。金融庁も、元本割れのおそれを示したうえで、長期・積立・分散による資産形成を案内しています。
長期運用で短期の値動きに振り回されにくくする
株式市場は、景気、金利、企業業績などの影響で短期的に大きく動きます。運用期間が短いほど、購入直後の下落が最終結果へ強く影響します。
長く保有できれば、値下がり後の回復を待てる余地は広がります。ただし、長期保有だけで利益が確定するわけではありません。
| 運用期間 | 主に想定する資金 | 注意点 |
| 1~3年 | 投資には慎重な資金 | 回復を待ちにくい期間 |
| 3~5年 | 預貯金との併用 | 必要時期に応じた現金化 |
| 5~10年 | 中長期の資産形成 | 支出予定の定期確認 |
| 10年以上 | 老後資金など | 資産配分と費用の確認 |
期間の区分は利益を保証するものではありません。投資先が極端に偏っていたり、費用が高かったりすれば、長く保有しても期待した結果にならない場合があります。
使う予定が近づいた資金は、相場の回復を待つ前提から外し、預貯金へ移す準備も進めましょう。
積立投資で購入時期を分ける
積立投資では、毎月など一定の間隔で決まった金額を購入します。一度に全額を入れず、購入時期を分けられます。
- 定額での自動購入
- 購入時期の分散
- 高値で少ない購入量
- 安値で多い購入量
- 少額からの継続
毎月1万円を積み立てる場合、基準価額が高い月は少ない口数を買い、安い月は多い口数を買います。
ただし、価格が長期間下がり続ければ、積立中でも評価損は発生します。積立は損失を防ぐ方法ではなく、高値で全額を買う偏りを抑える方法のひとつです。金融庁も、積立投資は購入時期の偏りを避ける手法として紹介しています。
投資先を複数の資産や地域へ分ける
分散投資では、値動きが異なる資産や地域へ資金を分けます。ひとつの市場が下落した際に、資産全体への影響を抑える狙いがあります。
| 分散方法 | 分ける対象 | 主な狙い |
| 資産分散 | 株式・債券・REIT | 値動きの偏りを抑える |
| 地域分散 | 国内・先進国・新興国 | 特定国への集中を抑える |
| 通貨分散 | 円・米ドルなど | 通貨の偏りを抑える |
| 時間分散 | 毎月などの定期購入 | 購入時期を分ける |
複数の商品を買えば、自動的に分散されるわけではありません。
全世界株式ファンドと米国株式ファンドを組み合わせると、米国株の比率が想像以上に高くなる場合があります。商品数ではなく、保有資産の中身がどれほど重なっているかを見てください。
金融庁も、国内外の株式、債券、不動産など、値動きの異なる資産へ分ける方法を分散投資として紹介しています。
値下がりしても続けられる金額に抑える
積立額は、毎月出せる上限ではなく、評価額が下がっても生活を崩さず続けられる範囲で決めます。
月5万円を積み立てた結果、家計に余裕がなくなり、相場が下がったときに売却するなら負担が大きすぎます。月1万円でも無理なく続けられるなら、そちらのほうが家庭には合っています。
ボーナスや児童手当を前提に積立額を決める際も、今後の支出を確認しましょう。子どもの成長に伴い、食費、習いごと、学用品などの負担は変わります。
半年に一度ほど家計と積立額を見直し、苦しくなる前に調整する。派手さはありませんが、会社員パパには続けやすい方法です。
投資を始める前に確認したい家計チェックリスト

商品選びへ進む前に、投資へ回してよい金額と使う時期を整理しましょう。
相場の動きはコントロールできません。一方、家計から出す金額、確認する時期、売却を考える条件は自分で決められます。
事前にルールを用意しておけば、値下がりした際の感情的な売買も減らせます。
家計のお金を使う時期で3つに分ける
家計のお金は、使う時期に応じて分けると整理しやすくなります。
- 日常生活に使う資金
- 数年以内に使う資金
- 当面使わない資金
毎月の生活費や固定費は、預貯金で管理するのが基本です。数年以内に使う教育費、車の購入費、住宅修繕費も、必要時期が近づくほど現金の割合を高めます。
投資信託へ回すのは、当面使う予定がなく、評価額が下がっても生活へ影響しない資金です。
口座を分けておくと、投資へ回してよい金額が見えやすくなります。余ったお金を守るのではなく、守る分を先に取り分けましょう。
目論見書で確認する項目を絞る
目論見書は文字数が多く、最初から最後まで読むのは骨が折れます。まずは運用目的、投資対象、リスク、費用、換金条件を確認してください。
| 確認項目 | 主に見る内容 | 判断の視点 |
| 商品の目的 | 目指す運用内容 | 家計の目的との一致 |
| 投資対象 | 国・地域・資産 | 偏りの有無 |
| 主なリスク | 価格が下がる要因 | 許容できる範囲 |
| 信託報酬 | 保有中の費用 | 類似商品との差 |
| 分配方針 | 分配頻度や原資 | 資産形成との相性 |
| 換金条件 | 申込締切や受渡日 | 必要時期との一致 |
目論見書を読んでもわからない箇所があれば、運用会社や販売会社の資料も確認します。
専門用語を理解しないまま買うと、値下がりした際に原因がわからず、不安から売却へ傾きやすくなります。すべてを暗記する必要はありませんが、何に投資しているかは説明できる状態を目指しましょう。
相場が下がったときの行動を先に決める
相場が下がってから判断すると、不安や焦りに引っ張られます。購入前に、積立を続ける条件と見直す条件を決めておきましょう。
- 積立を続ける条件
- 積立額を下げる条件
- 売却を考える条件
- 資産配分の確認時期
- 家計を見直す時期
- 商品変更の判断材料
基準価額が下がっただけで売るのか、商品の運用方針が変わったら売るのかでは意味が異なります。
市場全体が下落していても、長期運用の前提や家計状況が変わっていなければ、積立を続ける判断もあります。一方、手数料や運用方針の変更は、保有を見直す材料になります。
「半年に1回だけ確認する」「生活防衛資金が減ったら積立額を下げる」など、忙しくても守れるルールへ整えてください。
家族の予定を優先して無理なく続ける
投資信託は、毎月の積立額を競うものではありません。
SNSで「NISA枠をすべて使った」「毎月10万円積み立てている」と見かけても、収入、住宅費、家族構成が違えば、そのまま参考にはできません。
子どもの進学、住宅ローン、旅行、車の買い替えなど、家族で実現したい予定を先に確認しましょう。投資額を増やした結果、今の生活を我慢しすぎたり、急な支出で借り入れたりすれば、資産形成の目的から離れてしまいます。
わが家に合う金額は、ほかの家庭との比較では決まりません。月5,000円から始め、家計に余裕が出たら増やす形でも問題ありません。
投資信託のリスクと付き合ううえで頼りになるのは、相場を当てる予測より、生活費を守りながら続けられる設計です。家族が納得できるペースを選びましょう。
※本記事は投資信託に関する一般的な情報をまとめたもので、特定商品の推奨や投資成果の保証を目的としたものではありません。投資判断は、商品の目論見書や最新情報を確認したうえで行ってください。


