暗号資産の手数料完全ガイド|スプレッド・送金・取引所別比較

暗号資産を始めるとき、多くの初心者が見落としがちなのが 「手数料」 です。
売買や送金を繰り返す中で、「気づいたら利益がほとんど残っていなかった」というケースも少なくありません。

実際、手数料は「スプレッド」「取引手数料」「入出金手数料」「送金手数料」など複数存在し、取引所によって大きな違いがあります。
本記事では、暗号資産の手数料の種類と仕組みをわかりやすく解説しつつ、主要取引所の最新比較表を用意しました。

「できるだけコストを抑えて投資を始めたい!」という方は、ぜひ参考にしてください。

暗号資産の手数料の種類とは?

暗号資産の取引には、さまざまな種類の手数料がかかります。
一見すると数百円〜数千円程度の小さな金額に見えますが、取引を重ねることで大きな差となり、投資の成果に直結します。

初心者が理解しておくべき主な手数料は以下の4つです。

スプレッド(購入価格と売却価格の差)

スプレッドとは、販売所で暗号資産を買うときの価格と、売るときの価格の差です。
販売所は「手数料無料」と宣伝されることが多いですが、実際はスプレッドが大きく設定されており、実質的なコストとなります。

例:ビットコインの購入価格が600万円、売却価格が594万円なら、その差額6万円がスプレッドです。

取引手数料(取引所・販売所の違い)

取引所形式(ユーザー同士の板取引)では、取引手数料が0〜0.1%程度発生します。
一方、販売所形式では取引手数料は無料ですが、その分スプレッドが広く設定されています。

つまり、少額・短期の取引を繰り返す人はスプレッドの影響を強く受けるため注意が必要です。

入金手数料と出金手数料

暗号資産取引所に日本円を入金・出金する際にも手数料が発生します。

  • 銀行振込:振込手数料(利用銀行に依存)
  • コンビニ入金・クイック入金:数百円〜数千円の固定費用
  • 出金手数料:1回あたり数百円(取引所ごとに異なる)

頻繁に入出金を行うとコストが積み重なるため、まとめて行うのが節約のコツです。

送金手数料(ブロックチェーン利用料)

暗号資産を他のウォレットや取引所へ送金するときには、ネットワーク利用料(マイナーへの報酬)が必要です。
この金額はブロックチェーンの混雑状況によって変動し、特にイーサリアムは高騰することがよくあります。

スプレッドの仕組みと注意点

暗号資産を購入する際、初心者が最も見落としやすいのが スプレッド(売買価格の差) です。
特に「販売所」を利用すると、取引手数料が無料と表示される代わりに、スプレッドが大きく設定されていることが多く、知らないうちに割高で購入してしまうケースがあります。

販売所で大きく設定される理由

販売所では、ユーザーが取引所と直接やり取りするのではなく、運営会社(取引所運営側)が暗号資産を売買相手となる仕組みです。
このとき、取引所はリスクや運営コストをカバーするために、購入価格を高めに設定し、売却価格を低めに設定しています。

その差額こそが「スプレッド」であり、販売所にとっての実質的な利益となります。
ビットコインなどの人気銘柄でも、数千円〜数万円規模の差が発生することは珍しくありません。

取引所を活用してコストを抑える方法

手数料を抑えるための基本は、販売所ではなく取引所(板取引)を利用することです。
取引所ではユーザー同士が価格を提示し合って売買を行うため、スプレッドはほとんど存在せず、代わりにわずかな取引手数料(0〜0.1%前後)を支払うだけで済みます。

また、最近はGMOコインやbitbankなど、取引手数料が無料またはマイナス手数料(取引すると報酬がもらえる)を採用している取引所もあります。
短期的な売買や少額の取引をする人は、こうした「板取引可能な取引所」を選ぶことがコスト削減につながります。

送金手数料はなぜ変動するのか?

暗号資産を他のウォレットや取引所へ送金するときには、**送金手数料(ネットワーク利用料)**がかかります。
この金額は取引所が決めているのではなく、ブロックチェーンの利用状況や仕組みによって変動するのが特徴です。

ブロックチェーンの混雑状況

ブロックチェーンは世界中のユーザーが同時に利用する「共有ネットワーク」です。
取引が集中すると「自分の取引を早く承認してほしい」という需要が高まり、手数料が上がります。

特に以下のタイミングでは送金手数料が高騰する傾向があります。

  • ビットコイン価格が急上昇したとき
  • 大規模なNFTやDeFiイベントが発生したとき
  • 世界的に暗号資産市場が活況になっているとき

ビットコイン・イーサリアム・リップルの手数料比較

通貨によって送金の仕組みが異なるため、手数料にも大きな差があります。

  • ビットコイン(BTC)
    手数料は数百円〜数千円。混雑時は1回の送金に1,000円を超えることもある。
  • イーサリアム(ETH)
    「ガス代」と呼ばれる手数料が発生。DeFiやNFT利用者が多いため、特に混雑時は数千円以上になることも。
  • リップル(XRP)
    送金速度が速く、手数料も1円未満に抑えられるのが特徴。国際送金用途でも利用される理由のひとつ。

このように、同じ金額を送る場合でも通貨の選び方によって大きな差が出ます。
送金コストを抑えたい初心者には、リップルやライトコインなど「手数料が安く送金が速い通貨」を経由する方法がおすすめです。

国内主要取引所の手数料比較(2025年最新)

この記事では、日本国内で人気の主な暗号資産取引所(bitbank、Coincheck、GMOコイン、bitFlyer)に焦点を当て、手数料の観点から詳しく比較します。スプレッド(販売所)、取引手数料・入出金・送金といった主要コストについて明確に整理し、初心者でも選びやすいようにまとめました。

比較表:国内主要5取引所の手数料(2025年最新)

取引所スプレッド / 取引手数料入金手数料出金手数料送金手数料 (暗号資産)
bitbank板:Maker −0.02%, Taker 0.12% 銀行振込:無料(振込手数料のみ自己負担)数百円程度(3万円未満550円など)銘柄別(例:BTC 0.0006 BTC)
Coincheck販売所スプレッド広め、取引所は無料〜0.1% 銀行無料/コンビニ・クイック等770〜1,018円 出金407円/回 BTC 0.0005 BTC、ETH 0.005 ETHなど
GMOコイン板:Maker −0.01%/Taker 0.05%, 販売所も比較的狭め即時入金無料(振込手数料自己負担)出金無料(一部大口400円) 暗号資産送金無料(ネットワーク実費のみ)
bitFlyer板:0.01–0.15%, 販売所は中程度スプレッド 銀行無料/コンビニ・クイック330円〜 3万未満220円/以上440円など 銘柄別送金手数料あり
SBI VCトレード販売所:無料(スプレッドあり)、板:Maker −0.01%, Taker 0.05% 日本円・暗号資産ともに入金無料 日本円・暗号資産ともに出金無料 暗号資産送金無料

各取引所の手数料ポイント

  • bitbank: 板取引に強い王道スタイル。Makerリベートありで、頻繁に取引する人や中上級者に人気です。
  • GMOコイン: 検討すべきコスト全体が低く、初心者にも安心。送金まで無料なのはありがたい設計です。
  • Coincheck: 使いやすさと銘柄数が魅力ですが、入出金・スプレッドコストで割高になりやすい点に注意。
  • bitFlyer: 安定感と流動性、UIの使いやすさが魅力だが、スプレッドや入出金費用は中程度。
  • SBI VCトレード: 手数料面で群を抜く優位性があります。販売所スプレッドはある一方、取引所の板取引はMakerで逆に手数料がもらえる(−0.01%)という破格の条件、入出金・送金すべて無料という鉄のコスト設計が魅力です。

初心者が手数料を抑える3つのコツ

暗号資産の取引は、知らないうちに「手数料負け」してしまうことがあります。
特に初心者は取引頻度や金額に対してコストの割合が大きくなりやすいので、以下の3つの工夫を意識するだけで総コストを大幅に抑えることが可能です。

コツ① 販売所ではなく取引所(板取引)を利用する

販売所は操作がシンプルですが、**スプレッドが数%〜数十%**かかることもあります。
一方で取引所(板取引)では、ユーザー同士で希望価格を出し合って売買するため、手数料は0〜0.1%前後。
慣れれば操作も難しくないので、最初から取引所での売買を習慣化するのがおすすめです。

コツ② 入出金・送金が無料の取引所を選ぶ

国内取引所でも、GMOコインのように日本円入出金・暗号資産送金がすべて無料のところもあれば、Coincheckのように出金で1回407円かかる取引所もあります。
特に積立投資や頻繁な入出金を考えている人は、「無料枠があるかどうか」を重視しましょう。

コツ③ 手数料の安い通貨を経由して送金する

ビットコインやイーサリアムは送金手数料が高くなりがちです。
一方で、リップル(XRP)やライトコイン(LTC)は手数料が1円未満で送金速度も速いので、海外取引所へ送金するときの中継通貨としてよく利用されます。
「国内取引所 → XRP送金 → 海外取引所でビットコインに変換」という手順を取れば、大幅にコストを削減できます。

まとめ|取引所ごとの特徴を理解し、賢く手数料を節約しよう

暗号資産の投資では、「いつ買うか」「どの銘柄を買うか」と同じくらい重要なのが、手数料をいかに抑えるかです。
特に初心者は販売所のスプレッドや出金手数料で思わぬコストを負担してしまいがちですが、事前に取引所の仕組みを理解しておけば大きな違いが生まれます。

今回の比較からもわかるように:

  • SBI VCトレード … 入出金・送金がすべて無料で、板取引では手数料が還元される破格の条件
  • bitbank … Maker手数料がマイナスで、積極的な板取引派に有利
  • GMOコイン … 送金まで無料で、初心者にとって安心の低コスト設計
  • Coincheck … 使いやすさは抜群だが、出金やスプレッドは割高になりやすい
  • bitFlyer … 安定感と流動性があり、総合力で選びやすい

ポイント

  • 「販売所よりも取引所(板取引)を選ぶ」
  • 「入出金・送金が無料の取引所を利用する」
  • 「中継通貨(XRPなど)を活用して送金コストを下げる」

これらを意識するだけで、長期的に数万円単位の差が出ることもあります。

暗号資産はリスクのある投資ですが、手数料に関しては知識と工夫で確実にリスクを下げられます。
自分に合った取引所を選び、「ムダなコストを支払わない投資家」を目指しましょう。

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